犬のトレーニングにおいて、一貫性はとても大切な要素です。
犬は習慣とパターンを通じて学習するため、指示やルールにブレがあると、何が正しいのか、何を求められているのかが分からなくなってしまうからです。
たとえば、「おすわり」と指示を出したにもかかわらず、その日は気が乗らないからと犬が無視し、
飼い主も「まあ、今日はいいか」と妥協してしまったとします。
このようなことが繰り返されると、犬は「おすわり」というコマンドは時と場合によって従わなくてもいいものだと解釈し、
指示の意味が曖昧になってしまいます。
また、何度も指示を出しても犬が従わないからといって、途中で諦めてしまうのも問題です。
無視することがクセになると、結局指示に従わないことが習慣化してしまう可能性があります。
犬が理解しやすい環境を作るためには、飼い主がルールを明確にし、それを一貫して守ることが不可欠です。
たとえば、犬にソファに乗ってはいけないというルールを決めたならば、家族全員がそのルールを守らなければなりません。
ある時は許され、ある時は怒られるという状況では、犬は混乱し、何が正しくて何が間違っているのか判断できなくなります。
一貫性を保つためには、「どの行動を許可し、どの行動を許可しないのか」というルールを明確に決めることが大切です。
そして、それを家族全員で共有し、一貫して同じ対応をすることが大切です。
犬が指示に従ったときはしっかりと褒め、従わなかった場合は根気強く正しい行動を教え続けることが重要です。
犬との信頼関係は、こうした毎日の積み重ねによって築かれていきます。
一貫性を持って接することで、犬も安心して学習し、飼い主の指示を聞き入れるようになっていきます。